USB ArmoryでElectrum Bitcoin Walletを動かす

April 7, 2015 (Updated on: November 1, 2023)
by Keichi Takahashi

USB Armoryの有用なユースケースの1つとして考えられるのが、 ポータブルなビットコインのウォレットだ。ビットコインのウォレットの実体は、複数の 公開鍵/秘密鍵ペアの集合だ。鍵ペアは暗号化した状態で、ウォレットをインストール したコンピュータに保存しておく。ここで問題になるのが、自分の普段使っている マシン以外でビットコインの支払いなどの操作をしたいときだ。 信頼できないマシンに鍵ペアを転送するのは、明らかに危険だ。

このような状況で、USB Armoryを使うと都合が良い。USB Armoryにウォレットの 鍵ペアを保存し、USB Armoryの上でウォレット・アプリケーションを動かせば、 信頼できないコンピュータで安全にビットコインの取引を行うことができる。

Inverse PathによるUSB Armoryの紹介ページでは、Electrumというウォレットが動作確認 済みと書かれている。よって、僕もElectrumをインストールして使ってみることにした。 ちなみに、普段Macで使っているウォレットもElectrumだ。数多く存在するビットコイン ウォレットアプリケーションの中でもElectrumを使っているのには理由があるのだが、 それはまた別の記事で説明することにする。

インストール方法

まず、USB Armoryにログインし、Electrumをインストールする。

$ sudo apt-get install python-qt4 python-pip
$ sudo pip install https://download.electrum.org/Electrum-2.0.4.tar.gz

次に、xauthをインストールする。

$ sudo apt-get install xauth

USB Armoryを接続して使いたいコンピュータから、X11 Forwardingを有効にした状態で、 USB Armoryに接続し、Electrumを起動する。

$ ssh -X <USB ArmoryのIPアドレス>
$ electrum

ElectrumのUIが表示されるので、ウォレットをインポートするか、新規作成する。

注意点

  • USB Armoryを接続するコンピュータには、X11 Serverがインストールされている 必要がある。僕はMacユーザなので、XQuartzをインストールした。
  • ちなみにXQuartz 2.7.7とOSX Yosemiteの組み合わせは、X11 Forwardingに問題 があり、僕の環境では上手く動かなかった。XQuartz 2.7.8 RC1をインストール したところ、直った。
  • Hot WalletなElectrumとして使用するためには、USB Armoryがインターネットに 接続できている必要がある。