米国オークリッジ国立研究所での研究留学 (研究編)

December 16, 2019 (Updated on: December 16, 2019)
by Keichi Takahashi

研究留学 Advent Calendar 2019の12日目の記事です.博士後期課程在学中に米国オークリッジ国立研究所へ研究留学した話をまとめたいと思います.

いつ行ったか

博士後期課程3年次だった2018年7月〜12月の約半年間,留学しました.博士の卒業要件を揃えてから留学したかったことと,留学先を探すのに時間がかかったことから,この時期になりました.留学と博士論文の執筆や公聴会の準備などが重なったことから,かなり忙しく過ごしました.

どこに行ったか

米国のオークリッジ国立研究所 (Oak Ridge National Laboratory, ORNL) に滞在しました.ORNLは米国エネルギー省管轄の国立研究所で,私の専門である高性能計算のほか,核物理,物質・材料科学,生物学などの分野で特に優れた研究成果を出している研究所です.2019年12月現在,世界最高速のスーパコンピュータSummitはORNLに設置されています.

ORNLは名前の通り,テネシー州のオークリッジという場所にあります.周りには何もなく,ノックスビルという最寄り町まで車で40分程度かかります.オークリッジでの生活については,以前にブログ記事を執筆したので,興味があればご覧ください.

何をやったか

スーパコンピュータにおけるIOの高速化に取り組みました.具体的には,滞在先の研究グループがExascale Computing Projectの一環として開発しているAdaptable Input/Output System (ADIOS2)というスーパコンピュータ向けIOミドルウェアの開発に参加し,機能追加や性能改善を行いました.ADIOS2はオープンソースで公開されており,開発成果は既にADIOS2本体に取り込まれています.

また,シミュレーション結果をストレージに書き込むことなく,リアルタイムに可視化・解析するIn-situ/In-transit技法に関する研究にも取り組みました (論文).この共同研究は現在も継続しています.

どうやって行ったか

指導教員のツテでORNLのPIを紹介してもらいました.たまたまそのPIが来日していたので,対面でミーティングした後,内諾を得ました.その後,ORNLが運営する,大学院生向けのAdvanced Short-Term Research Opportunity (ASTRO) というインターンシッププログラムに応募し,正式に留学が決定しました.このプログラムは米国市民以外も受け入れており,国内・海外問わず,大学院生なら応募が可能です.また,生活に十分な月給が支給されます.

旅費に関しては所属していたリーディング大学院プログラムがインターンシップ支援として出してくれました.また,博士の予備審査のために一時帰国する必要がありましたが,その際の旅費もリーディング大学院から出してもらえたので,非常に助かりました.

このように経済的には支援が充実していたものの,米国に到着直後はマンションを借りたり,車を購入したりなどの出費が重なり,一時的に100万円近くの出費はありました.